2021/02/23 11:46:40
時短営業が要請される飲食業やその関連の事業者に対する一時金
中小企業庁はこのほど、緊急事態宣言の下、時短営業が要請される飲食店やその関連の事業者を対象とする一時金の概要を明らかにしましたが、給付要件を確認する機関に税理士や税理士法人等が挙がっていることが分かりました。確認機関となるには登録が必要であり、同庁は既に募集を始めています。事業者からの申請は3月初旬から受け付ける見込みです。
今回の一時金は、新型コロナ感染症の第三波を受けて1月に発令された緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業だけでなく、外出自粛による影響を受け、本年1月から3月の任意のひと月の売上が前年又は前々年との比較で50%以上減少した事業者を広く対象とする点に特徴があります。具体的には、飲食店や飲食店と取引のある食品加工・製造事業者、器具・備品事業者、サービス事業者、流通関連事業者のほか、農家などの生産者も対象です。さらに外出自粛の影響を受ける、主に対面で個人向けに商品・サービスの提供を行う事業者として、タクシー等の旅客運送事業者や、ホテル等の宿泊事業者、観光・遊興関連施設事業者、土産物等の小売店も対象になります。これらと業務委託契約を結ぶドライバーやバスガイドなども対象です。取引があれば、緊急事態宣言の対象地域でなくても、全国の事業者が対象となります。
一時金の額は、「前年又は前々年の1月から3月の合計売上」から「令和3年の対象月の売上×3」を引いた額です。ただし中小法人等は60万円、個人事業者は30万円が上限です。
なお、確定申告書等を基に売上減少要件や取引の有無を確認する機関として、税理士や税理士法人、商工会等が例示されました。
飲食業だけでなく、その関連業者にも一時金を支給するものです。現在進行形の時期(1月〜3月)ですので、注意して月次の売上を計上・確認したいところです。
2021/01/23 13:55:58
押印廃止における相続税申告の留意点
令和3年度税制改正において、税務関係提出書類の押印義務が原則廃止されることに伴い、国税庁は、その施行日である令和3年4月1日を待たずに、運用上、押印がなくとも改めて求めない方針を示しています。令和2年分の所得税をはじめ、各税の申告書にはハンコ欄があっても、押印する必要がなくなったわけですが、相続税の申告について、2人以上の相続人等が共同して提出したものであることを認める方法を別途明らかにしています。注意したいところです。
法令上、相続税の申告書について、2人以上の相続人等が共同して提出する場合には一の申告書に連署して提出することとされています。国税庁のパンフレットによれば、今後、2人以上の相続人等が相続税の申告書に押印をしないときは、申告書第1表及び第1表(続)には共同して提出する相続人のみの名前を記載して提出することとしています。これは、申告書の提出意思の有無を明らかにするためです。なお、共同して申告書を提出しない相続人等の方は、別途申告書を作成し提出する必要があることも記載しています。
申告書第1表等についてすべての相続人等の氏名や金額を記載する場合には、第1表等のうち共同して申告書を提出しない方の氏名や金額欄を斜線で抹消するなどして、その者が共同申告しない相続人等であることを明示するように求めています。
相続税の申告書は、従前押印がない相続人は無申告とされ、加算税が課されるなどの事態が起こっておりました。遺産分割などで話がまとまらない場合などに、起きることもあります。申告書の提出の意思表示は、大切な留意点です。
2020/12/26 13:08:49
役員退任後の再任用従業員の退職所得
令和3年度税制改正の議論の中に退職所得課税の適正化が俎上に載ってきました。税務手続のデジタル化や行き過ぎた節税策の防止策などが議題に上がる納税環境整備の一つです。
退職所得の2分の1課税の見直しについては以前も議論となり、平成25年分以降は役員等勤続年数が5年以下である人が支払を受ける退職金のうち、その役員等勤続年数に対応する退職金として支払を受けるものは2分の1課税の優遇が受けられなくなりました。今回の見直しは「従業員に対する退職金」です。取締役や執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人並びにこれら以外の者で法人の経営に従事している一定の者は、役員「等」として2分の1課税の対象外ですが、役員退任後、これらに当てはまらない従業員として再任用されれば高額な退職金でも2分の1課税となります。
令和3年度改正議論では、一定金額以上の高額な退職金が勤続5年以下の従業員に支給された場合に2分の1課税を除外する案が浮上しています。高額か否かの基準はモデル退職金額によることとされますが、自民党税調の資料では、勤続年数5年・大卒・会社都合による退職で、経団連調査では126万7,000円、東京都の中小企業の退職金で64万円と開きがあります。いずれも平成30年度のデータです。「モデル退職金額を相当程度上回る額」にすべきとの声が大勢であり、退職金(源泉徴収される前の額)から退職所得控除額を引いた後に2分の1とした額(課税の対象となる額)が300万円を超える額を除外する案を軸に検討がされている模様です。
役員が退職し役員退職金の支給を受け、退職後も経営に従事している場合、その役員退職金は賞与扱いとして給与所得となり、さらに法人税では損金不算入となります。役員退職後も従業員として給料を支給され、その給料に見合う高額な退職金をもらえる人は、まだ経営に関与しているのではないでしょうか?
一般の方にもわかりやすい法律にしていただきたいと思います。税法を複雑にしないでいただきたいです。
2020/11/23 10:42:08
新型コロナウイルスの影響により事業収入が減少した中小事業者等の固定資産税等の特例措置
弊事務は、広島市南区にあります。
広島市から「新型コロナウイルス感染症の影響により、事業収入が減少した中小事業者等が所有する事業用家屋及び償却資産を対象とする固定資産税等の特別措置について<お知らせ>」が届きました。皆さんのところにも届いたでしょうか?
新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により、事業収入が減少した中小事業者等が所有する事業用家屋及び償却資産について、令和3年度分に限り、固定資産税及び都市計画税の課税標準を、事業収入の減少割合に応じて、ゼロ又は2分の1とする特別措置が講じられます。
概要は以下の通りです。
{要件等}
1対象者
�� 中小事業者等に該当すること。
�� 令和2年2月から10月までの任意の連続する3か月間の事業収入の合計額が、前年の同期間と比べて30%以上減少していること。
2特例率
令和2年2月から10月までの任意の連続する3か月間の事業収入の合計額を前年の同期間と比較した際の減少割合
�� 50%以上の場合 ・・・ 特例率 ゼロ
�� 30%以上50%未満の場合 ・・・ 特例率 2分の1
3対象資産
令和3年1月1日時点で、中小事業者等が所有する事業用家屋及び償却資産。
なお、一つの家屋について、事業用部分とそれ以外の居住用部分が混在する場合、その家屋の事業専有割合に応じた部分が対象となります。
{手続き}
認定経営革新等支援機関等の確認を受けた申告書及び同機関に提出した書類一式を
令和3年2月1日(月)までに提出する必要があります。
{提出書類}
申告書・・・認定経営革新等支援機関等の確認印が押されたもの
収入減を証する書類・・・会計帳簿や青色申告決算書の写しなど
特定対象家屋の事業用割合を示す書類・・・青色申告決算書の写しなど
上記の書類のほか、必要に応じて、その他の書類
詳細については、広島市であれば、固定資産税課償却資産係等にお問い合わせください。広島市以外の場合、事業所等が所在する役所の担当課へお問い合わせください。
2020/10/25 09:52:53
中小企業等の優遇税制の期限延長
中小企業者の800万円以下の所得に対する法人税率を15%に優遇する軽減税率をはじめ、主だった中小企業税制はコロナ禍の中、軒並み期限延長の要望が通りそうです。
租税特別措置により19%から15%に引き下げる軽減税率は令和3年3月末に期限を迎えますが、経済産業省は、平成30年度に約96万者が幅広く利用している制度であり、期限切れになると設備投資や賃上げに悪影響を与えることから、令和5年3月末までの2年延長を求めます。
設備投資減税では、即時償却ができる中小企業経営強化税制、中小企業投資促進税制、商業・サービス業・農林水産業活性化税制の適用期限について、いずれも2年延長の令和5年3月末までとすることを要望しています。コロナ禍にある2020年度の中小企業の設備投資計画は、製造業で前年度比1割減、非製造業で前年度比2割減となっており、コロナ後に向けて中小企業者の生産性向上につなげる設備投資を促すのに必要としています。本年4月末に成立・施行されたコロナ特例法において、経営強化税制はテレワーク関連のデジタル化設備が追加されたばかりであり、他省庁が要望するテレワーク関連の設備投資減税に併せて対象設備が広がる可能性もあります。さらにまた、2016年度に7万件を超える利用があった投資促進税制は2018年度に5万4,535件となり、代わりに経営強化税制の利用が2万6,419件と増え、税理士等の認定支援機関が関与する経営強化税制にシフトする傾向が見られます。
コロナ禍にあって、皆が厳しい状態で、本年度、繰越欠損を作った企業も多いと思います。コロナ後に利益をあげ、その利益が青色欠損金の繰越控除を超えることを想定していると思われます。優遇税制のところに届くまで、回復したいものです。