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税理士日記

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消費税のインボイス制度のアンケート

2022/09/07 11:32:45

消費税のインボイス制度のアンケート

 来年10月の消費税のインボイス導入まで1年余りと迫ってきたものの、事業者の準備や取引先への対応が進んでいないことが分かりました。東京商工リサーチが8月1日から9日に実施した「インボイス制度」の企業向けアンケート調査(回答数6,441社)によると、「インボイス制度そのものを知らない」は7.5%で認知度は高まっていますが、その準備や対応は鈍く、まだ半数近くの46.7%の企業が取引方針を決めていない実態も分かりました。
 周知のとおり、インボイスを来年10月から発行するには原則、来年3月末までに登録申請する必要があります。経過措置があるものの、免税事業者のままだとインボイスを発行できず、(免税事業者から仕入れた)売上先の事業者は仕入税額を控除できないために納税額が大きくなります。これを避けたい事業者が、免税事業者との取引の解消や値下げを要求する懸念があります。一方で免税事業者は、課税事業者を選択すると消費税の納税義務が生じ、小規模事業者ほどその板挟みに苦悩しています。
 アンケート結果をみると、インボイス制度の導入後、免税事業者との取引について、「これまで通り」が41.2%である一方、全体の1割近くの9.8%は「免税事業者とは取引しない」と回答し取引中止を示唆するほか、「取引価格を引き下げる」も2.1%あった。ただし、46.7%が「検討中」としており、半数近くは取引方針を決めかねているようです。なお、取引中止を回答した企業は、「大企業」が6.4%、中小企業が10.4%で、中小企業が大企業を4ポイント上回りました。取引継続は資金負担が生じることもあるだけに中小企業のシビアな回答が目立ちました。

 免税事業者は、適格請求書発行事業者の登録申請書を税務署に提出して、インボイスの番号をとると、自動的に課税事業者となります。消費税の申告をしなければならなくなります。今まで消費税の10%部分のみが、儲けと言われていた方々は、青ざめておられます。今までの取引先と商売をしたいのに、手取りはなしということになります。何か、救済策が欲しいところです。




相続土地の浄化・改善費用相当額の控除

2022/08/29 10:13:38

相続土地の浄化・改善費用相当額の控除

 相続した土地の評価に当たって、その評価額から土地の浄化・改善費用相当額を控除できるか否かの判断が争われた事件で、国税不服審判所は、相続開始日に土壌汚染のある土地と認められることから、同相当額を控除すべきと判断し、原処分を全部取り消しました(令和3年12月1日裁決)。
 この事件は、被相続人から土地を相続した審査請求人が、相続財産の土地は土壌汚染地であるとして、その土地の評価について浄化・改善費用に相当する金額を控除して相続税の申告をしたのが発端です。これに対して原処分庁は、土壌汚染対策法に規定する汚染の除去等の措置を講ずることが必要な区域に指定等がされていないため、これらの費用の負担が確実に発生するとはいえないとして更正処分等をしたものです。
 審判所は、相続開始日に土壌汚染対策法上の基準を超える特定有害物質を地中に含有していたことが認められ、土壌汚染のある土地と認めるのが相当と判断しました。各土地の評価に当たっては浄化・改善費用相当額を控除すべきであると指摘しました。さらに、各土地やその周辺の状況、土壌汚染の状況から、各土地について最有効使用ができる最も合理的な土壌汚染の除去等の措置は掘削除去であると認められ、請求人が主張する土壌汚染対策工事の見積額の算定過程にも特段不合理な点は見当たらないことから、浄化・改善費用の金額として相当と認められるとの見解も示しています。

 土地の評価について、実態に則した判断がなされたようです。土地評価の実務では、悩ましい事象は多々起きます。何度も現地へ行って、判断されたものと思います。

副業所得、収入金額300万円以下は業務の雑所得

2022/08/24 13:18:05

副業所得、収入金額300万円以下は業務に係る雑所得

 国税庁はこのほど、「所得税基本通達の制定について」の一部改正案(雑所得の例示等)に対するパブリックコメントを開始しました。意見の募集期間は8月31日(水)までです。
 改正案は、かねてより所得区分の判定が難しいという指摘の多かったシェアリングエコノミーなどの「新分野の経済活動に係る所得」や副業に係る所得について、所得税基本通達における雑所得の範囲の明確化を図る改正となっています。
 1つ目は、「その他雑所得」(公的年金等に係る雑所得及び業務に係る雑所得以外の雑所得)の範囲に、譲渡所得の基因とならない資産の譲渡から生じる所得(営利を目的として継続的に行う当該資産の譲渡から生じる所得及び山林の譲渡による所得を除く)が含まれることを明確化するものです。
 2つ目は、「業務に係る雑所得」の範囲の明確化。業務に係る雑所得の範囲に、営利を目的として継続的に行う資産の譲渡から生じる所得が含まれることを明確化することとします。さらには、事業所得と業務に係る雑所得の判定について、(1)その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定すること、(2)その所得がその者の主たる所得でなく、かつ、その所得に係る収入金額が300万円を超えない場合には、特に反証がない限り、業務に係る雑所得と取り扱うこととするものです。
 改正後の所得税基本通達の取扱いは、令和4年分以後の所得税について適用します。

 副業が収入金額300万円以下の場合雑所得となると、今まで事業所得で申告していた納税者は、青色申告特別控除などの特典が使えなくなります。いろんなケースが想定されますが、厳しいですね。

 

常時雇用301人以上の企業に「男女の賃金の差異」の開示を義務付け

2022/07/27 14:42:30

「男女の賃金の差異」の開示

 女性活躍推進法の省令・告示が令和4年7月8日に改正され、「男女の賃金の差異」の公表が義務付けられることになりました。
 対象は、常時雇用する労働者が301人以上の企業とされ、上場・未上場は問いません。「全労働者」「正規雇用労働者」「非正規雇用労働者」の3区分での公表が必要であり、区分ごとに、「女性の平均年間賃金」を「男性の平均年間賃金」で割って、その割合(パーセント)を算出します。なお、「全労働者」とは「正規雇用労働者及び非正規雇用労働者」の合計であり、非正規雇用労働者にはアルバイト、パート、契約社員なども含まれます。
 対象企業については、令和4年7月8日以後、最初に終了する事業年度の実績について、その次の事業年度の開始後おおむね3か月以内に公表する必要があります。他の情報公表項目と同様に、厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」や自社ホームページなどで公表します。
 また、上場企業など、有価証券報告書を作成している場合には、従業員の範囲や平均年間給与の計算に用いる給与の範囲が女性活躍推進法における「男女の賃金の差異」の算出の原則に適合していれば、有価証券報告書における「従業員」の「平均年間給与」の算出方法を踏まえて、男女別の平均年間賃金を算出してよいとされています。

 従業員の多い企業は、アルバイトの方の社会保険や この度の男女の賃金の差異の開示など制約が出てきています。

鬼滅の刃 制作会社がカフェの売上除外で有罪

2022/07/21 17:32:41

「鬼滅の刃」制作会社がカフェの売上除外で有罪

 人気アニメ「鬼滅の刃」などの制作会社が併営するカフェの売上を隠ぺいし、法人税等約1億4,000万円を脱税していたことが発覚した事件では、東京地裁は、代表者が経理担当者に執拗に脱税を指示していたなどとして悪質性が強いと判断し、有罪判決を下したことが分かりました(令和3年12月10日判決)。
 アニメの制作などを業とするX社は、アニメ関連商品の販売やコラボカフェの運営等も手がけていました。代表者の甲は平成27年、29年、30年の3事業年度にわたり、カフェの売上金の一部を自宅に保管した上で、その分の売上を帳簿から除外し、計約4億4,000万円を隠ぺいしました。虚偽の確定申告書を提出して法人税・消費税等計約1億4,000万円を脱税しました。このことが税務調査で明るみになり、甲は起訴されました。
 裁判で甲は、アニメ業界ではヒット作に恵まれることは少なく、将来、会社の経営が悪化した時に備えて資金を残しておくために、やむを得ず脱税をしたと主張しました。東京地裁は、甲の手口は巧妙とまではいえないものの、会計担当の妻が売上除外・帳簿改ざん等の行為に消極的だったにもかかわらず、執拗に実行の指示をしていることなどから、脱税の意思は強かったと指摘しました。また、経営悪化のリスクがあるのはアニメ業界特有の問題ではなく、正当な理由とはならないとして、その悪質性を認定し、X社に罰金3,000万円、甲に懲役1年8か月(執行猶予3年)の有罪判決を下しました。

 鬼滅の刃で充分に儲かっているように傍目には見えるのですが、こういう事(売上除外)をしてはいけません。執行猶予のついた懲役となっています。



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