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税理士日記

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令和5年度税制改正法案成立、相続税改正6年1月施行

2023/04/11 15:10:10

令和5年度税制改正法案成立、相続税改正6年1月施行

 令和5年度税制改正の内容を実施する所得税法等の一部改正法が3月末に成立し、そのほとんどが令和5年4月1日に施行されました。ただし、生前贈与を促す改正として税理士の関心を集めている相続税法の改正等は令和6年1月1日に施行されます。
 令和5年4月1日施行の改正から確認すると、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置が3年間延長されるとともに、契約終了時の残高に課される贈与税の税率を一般税率(直系尊属から贈与の特例税率より高い)とするなどの課税強化が同日以後に取得するものから適用されます。2年間の期限延長となる結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置も同様の課税強化がされます。
 一方、令和6年1月1日以後の贈与に適用される相続時精算課税の基礎控除の創設は、相続税法の改正において60万円控除が規定されていますが、租税特別措置法の改正における110万円控除に読み替えて適用されます。相続税の課税価格への加算期間を相続開始前3年以内の贈与から7年以内に伸ばす相続税法改正は、同日以後の贈与により取得する財産の相続税に適用されます。加算期間の延長により相続税増税となることから、改正前の制度を適用するための駆込みは令和5年中に実施する必要があります。ただし、延長された4年間に受けた贈与のうち総額100万円までは相続財産に加算されないので、税理士の一部では、被相続人の平均余命等によって暦年課税と相続時精算課税のどちらが有利かの試算がされている模様です。
      
 贈与のような長期の年月を見据えたプランを要する税金の出口が、だんだん複雑になっています。人間は年をとります。いろんなことを忘れてしまいます。
 ただ、相続時精算課税の基礎控除は朗報です。

インボイスの2割特例や4月以降の登録申請

2023/03/31 16:14:21

インボイスの2割特例や4月以降の登録申請

 国税庁はこのほど、インボイスコールセンターに寄せられた質問のうち、問合わせの多い「お問合せの多いご質問」(いわゆるFAQ)を更新しました。年が明けてから、令和5年度税制改正法案の質問が多く寄せられるようになり、今回、納付税額が売上税額の2割に軽減される2割特例や、原則は令和5年3月末が期限の登録申請についての4月以降の弾力的な運用の2項目を追加しました(計15問)。
 納付税額の2割特例については、インボイス制度を機に免税事業者から適格請求書発行事業者になった場合の税負担・事務負担を軽減するため、売上税額の2割を消費税の納付税額とする経過措置が講じられるとしています。この特例の適用を受けるための事前の届出等は不要であり、申告時に選択できること、令和5年10月1日から令和8年9月30日を含む課税期間に適用できると回答しています。例えば、個人事業者は、令和5年10月から12月の申告から令和8年分の申告までの4回分が対象となります。
 登録申請の弾力的運用については、令和5年度税制改正大綱(閣議決定)において、令和5年10月1日から適格請求書発行事業者の登録を受けようとする事業が、令和5年3月31日より後に提出する場合の登録申請書に記載する「困難な事情」について、運用上、記載がなくとも改めて求めないとするものです。この閣議決定に基づき、令和5年4月1日以降に登録申請を行う場合には、「困難な事情」を記載しなくても、令和5年9月30日までの申請は、インボイス制度が開始する令和5年10月1日を「登録開始日」として登録することを明言しています。

 消費税のインボイス制度は、零細の事業者まで巻き込み、請求書の様式という基本的な帳票にまで影響を及ぼしています。零細事業者への恒久的な救済措置が望まれます。例えば、家庭で内職をされているような零細事業者でもインボイスを企業から求められています。企業からすれば、数人の内職の方ではなく、数百人、数千人の報酬となれば、金額は大きくなります。企業側も内職の方もジレンマに陥っています。内職の方も消費税の申告をする必要があるのでしょう。
 インボイスと消費税の納税義務をセットにするとこうなります。

合資会社の社員が死亡した場合の持分払戻請求権

2023/03/23 14:55:52

合資会社の社員が死亡した場合の持分払戻請求権

 合資会社の社員が死亡した際の持分払戻請求権について、出資金額を超える部分がみなし配当として課税されました。審判所は、本件合資会社の定款に持分の承継に関する定めがなく、相続により時価相当額の経済的価値がもたらされたため、出資額を超える金額はみなし配当と認められると判断し、原処分を適法としました(令和4年6月2日裁決)。
 合資会社の無限責任社員であったAが死亡。相続人XはAの死亡退社に伴う持分払戻請求権を零円とする同意書を作成した上、共同相続人が各5分の1ずつの払戻請求権を取得する旨の遺産分割協議を成立させました。原処分庁は、払戻請求権のうちAの出資金額(元本)を超える部分がみなし配当に該当するとして更正処分等を行いました。Xはこの処分を不服として審査請求しました。
 審判所は、本件合資会社の定款には持分の承継に関する定めがないことからすれば、Aは死亡退社により本件払戻請求権を取得したものと認められ、Aが有していた社員権が払戻請求権に転換した時点、すなわち、相続開始日において払戻請求権の価額相当額の経済的価値がAにもたらされたといえると指摘しました。
よって、当該価額相当額のうち、出資に対応する部分の金額を超える金額は、Aのみなし配当と認められると判断しました。課税処分は適法であったとして、Xの請求を棄却しました。

 持分会社の払戻請求権については、慎重に検討する必要があります。注意しましょう。

生命保険の一時金申告での仮装隠蔽の課税処分取り消し

2023/02/25 09:10:20

生命保険の一時金申告で仮装隠蔽の課税処分の取消

 生命保険金に基づく一時金等を所得に含めずに確定申告した行為は仮装隠ぺいに当たるかが争われた事案で、審判所は、当初から過少申告を意図し、外部からもうかがい得る特段の行動をしたとはいえないとして、課税処分を取り消しました(令和4年4月15日裁決)。
 納税者Xは、生命保険契約に基づく一時金等を受領しました。生保会社からは一時所得等となる旨の通知や支払明細等を送付していましたが、Xはその通知等を廃棄し、所得税等の確定申告では一時金等を含めずに申告しました。税務調査でこのことが発覚し、原処分庁はXの行為を仮装隠ぺいとして重加算税の賦課決定処分を行いました。Xはこの処分を不服として審査請求に及んでいました。
 原処分庁は、Xが一時金等の課税に係る通知や支払明細等を破棄したことは、当初から所得を過少申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたと主張しました。これについて審判所は、Xは過去5年中1度しか確定申告を行っておらず、当該年分についても、たまたま金地金の売却に係る譲渡所得があったために申告を行ったのであり、税務の知識があったとはいえないこと、確定申告の時点で本件一時金等の存在や申告の必要性を認識していたとはいえず、支払明細等も意図的に破棄したとは認められないことから、過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたとは認められないと判断しました。重加算税の賦課決定処分を取り消しました。

 重加算税の課税の要件として、仮装隠蔽があります。納税者の内心を客観的に判断することになる場合もあると思います。充分に慎重に手続きを進めていただきたいです。



NISAの拡充と高所得者も「一億円の壁」の是正

2023/01/23 09:40:06

NISAの拡充と高所得者も「一億円の壁」の是正

 与党大綱に続き、昨年12月23日に閣議決定された令和5年度税制改正大綱を見ると、所得税関係では、NISAを抜本的に拡充したうえでの恒久化、高所得者になると税負担率が低下する「1億円の壁」を極めて高い水準の所得層で是正する措置が盛り込まれました。
 NISA制度(少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)は口座開設期間も非課税保有期間も期限のない恒久的な措置として、(1)一定の投資信託を対象とする長期・積立・分散投資の年間投資上限額(つみたて投資枠)を120万円に拡充、(2)上場株式への投資が可能な現行の一般NISAを引き継ぐ「成長投資枠」の年間投資上限額を240万円に拡充します。
(1)と(2)は併用可能とし、一生涯にわたる非課税限度額は1,800万円までで、うち「成長投資枠」は1,200万円までです。令和6年1月から新制度に改組されますが、令和5年12月31日までに現行のNISA制度で投資した商品は、新制度の外枠において、現行制度の非課税措置を適用することができます。
 極めて高い水準の所得に対する負担の適正化については、株式や不動産の売却益や給与などを合算した「合計所得金額」から3億3,000万円を差し引いた額に22.5%の税率をかけて算出します。算出した金額がその年分の所得税額を上回る場合には、差額分を追加で課税します。追加負担は徐々に増え、所得金額が50億円になると今より2%から3%程度の追加負担となります。令和7年分の所得税から適用されます。

 NISAの枠が拡充される予定です。つみたて投資枠が120万円ということは、月10万円ですか? 庶民が余剰金月10万円あるでしょうか。しっかり稼がないといけませんね。
 また、一億円の壁について、庶民からかけ離れた金額です。庶民はあまり影響なさそうです。高額所得者の皆様には、切実かもしれません。これで、生前贈与や株式・不動産を売却するタイミングなどの工夫が必要となりそうです。



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