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空き家問題に新たな対策

2023/07/24 19:34:54

空き家問題に新たな対策

 今や社会問題となっている空き家の管理強化や活用策を盛り込んだ改正空き家対策特別措置法がこのほど成立し、管理が行き届かない空き家については、固定資産税の優遇措置の対象から外すなどの措置が取られることになりました。改正法は今後、半年以内に施行される予定です。
 空き家対策をめぐっては、周知のとおり、空き家対策特別措置法が2015年に施行されて以来、放置すると倒壊のおそれがあるなど特に危険性が高い物件を「特定空き家」に指定し、自治体が強制的に撤去することが認められてきました。ところが、このような強制撤去は判断基準が明確でないことなどから十分には進まず、依然として空き家の増加に歯止めをかけるまでには至っていませんでした。このため、改正法では特定空き家になる前段階での対策強化が盛り込まれました。
 具体的には、放置すれば特定空き家になるおそれがある物件を新たに「管理不全空き家」に指定し、市区町村が指導・勧告できる仕組みを導入しました。勧告等を受けても、なお状況が改善されない場合は、住宅用地の固定資産税を最大6分の1に軽減する特例措置が解除されることになります。従来は、空き家の状態でも住宅として固定資産税が減額されたため、その放置を助長しているとの指摘の声が聞かれていました。

 広島県でも特に田舎に行くと、草ぼうぼうのなかに家がやっと建っている光景が見られます。跡継ぎの子が住まず、放置されています。台風で瓦など飛んで誰かに当たったら、大変です。相続の際、相続人間で「いらない」と言って、押し付けあうこともあるようです。背景には、人口減少などの要因があり、避けて通れない問題でもあります。財産的価値がなくさらに利益を生まないものを、どうするかです。国や地方自治体は、引き取っていただけるのでしょうか? 一筋縄ではいかない課題です。




公正取引委員会が初の注意勧告(免税事業者との価格交渉)

2023/06/26 09:18:17

公正取引委員会が初の注意勧告(免税事業者との価格交渉)

 公正取引委員会はこのほど、同委員会ホームページのインボイス制度関連コーナーにおいて「インボイス制度の実施に関連した注意事例について」と題する文書を公表しました。同委員会では令和4年1月(同年3月に改訂)、関係省庁と共同で作成した「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」を公表して、独占禁止法・下請法上の考え方を明らかにしていますが、事業者に注意した事例を公表するのは今回が初めてです。
 注意事例によると、ある業界の発注事業者が、経過措置により一定の範囲で仕入税額控除が認められるにもかかわらず、取引先の免税事業者に対し、「インボイス制度の実施後も課税事業者に転換せず、免税事業者を選択する場合には、消費税相当額を取引価格から引き下げる」と文書により一方的に通告していたものです。業界も挙げており、イラスト制作業者が免税のイラストレーターのほか、農産物加工品製造販売業者が免税の農家、ハンドメイドショップ運営事業者が免税のハンドメイド作家、人材派遣業者が免税の翻訳者と通訳者、電子漫画配信取次サービス業者が免税の漫画作家に対しての5パターンを注意しました。
 ポイントは2つです。上記Q&Aでも繰り返し指摘していたとおり、(1)取引先の免税事業者に対して、取引価格の引下げを文書で一方的に伝えていたことと、(2)経過措置期間は80%又は50%の仕入税額控除が認められるにもかかわらず、消費税相当額を取引価格から引き下げると通告している点です。

 消費税の免税事業者は、先日ご紹介した内職の方のように、家庭の事情などを抱えておられる場合もあります。思い切った救助となる制度が導入されることを希望します。

孫への贈与による相続税への影響

2023/05/23 13:25:08

孫への贈与による相続税への影響

 ひと頃、孫を養子にすると、(1)相続税の基礎控除額が増える、(2)法定相続人の増加によって累進税率が緩和される、(3)孫の時代の相続税負担を回避できる――などの理由から、いわゆる「孫養子縁組」が盛んに行われたことがあります。ただ、養子となった孫の相続税が2割加算の対象になってからは急速に萎んでいきましたが、最近、相続税対策として注目されているのが「孫への生前贈与」です。
 というのも、贈与税の基礎控除枠110万円を相続対策として活用する「暦年贈与」については、既にご承知のとおり、今年度改正で被相続人の生前に贈与された財産を相続財産に「持ち戻す」期間が3年間から7年間に拡大されましたが、相続人となっていない孫への贈与は相続税の課税対象とはならないからです。
 この暦年贈与と並んで注目されているのが「相続時精算課税」です。これは2,500万円までの生前贈与が非課税となりますが、相続時に受贈財産を相続財産に持ち戻して課税するというもので、孫の場合は孫養子と同様に2割加算の対象となります。ところが、これについても今年度改正で年110万円の基礎控除が暦年贈与とは別枠で新設され、それ以下の贈与財産は相続財産に持ち戻されないことになりました。このため、孫持ちにとっては相続対策の手段が大幅に広がったといえそうですが、暦年贈与か相続時精算課税かは選択制ですので、どちらかを選ぶ必要があることから、慎重な判断が求められます。

 相続税の節税については、いろんなアイデアが出ております。それを実行しても、裏目にでる場合もあります。じっくりと考えて、納得されてから行動されてください。

販売用マンションの購入について消費税の処理

2023/04/25 09:27:57

販売用マンションの購入について消費税の処理

 販売用マンションの購入時にかかった消費税額が、個別対応方式による控除税額の計算上、「課税売上げのみに要する仕入れ」か「共通対応課税仕入れ」かをめぐり争われた裁判で、最高裁は「共通対応に該当する」として国側の主張を認めました(令和5年3月6日判決)。
 中古マンションを仕入れ、リフォーム等を施して転売する事業を営んでいるX社は、マンションの仕入れに係る消費税額を「課税売上げのみに要する仕入」として仕入税額控除の計算を行っていたところ、所轄税務署長より「マンションの貸付けによる賃料収入も含まれるため、共通対応課税仕入に該当する」として否認を受けたため、訴訟を提起しました。一審・東京地裁は「賃料収入はマンションを転売するための副産物」として、仕入自体は「課税売上げのみに要する仕入」としてX社の主張を認容。控訴審・東京高裁は、非課税売上を生ずる取引が客観的に見込まれる場合は共通対応に該当するとして、一転X社敗訴となりました。
 最高裁では、課税売上と非課税売上の双方に対応する課税仕入は、当該事業に関する事情等を問うことなく、共通対応課税仕入に該当すると解するのが消費税法の趣旨に沿うものというべきとし、X社の上告を棄却する判断を下しました。また、過少申告加算税を課さない「正当な理由」があるか否かについても、事業者としては共通対応とする取扱いが行われることを予測できたため、「正当な理由」はないとしてX社の主張を斥けました。

 現在、令和2年4月の税制改正により居住用賃貸建物の取得等に係る仕入税額控除の制限があり、消費税の処理についてより慎重な判断が求められています



令和5年度税制改正法案成立、相続税改正6年1月施行

2023/04/11 15:10:10

令和5年度税制改正法案成立、相続税改正6年1月施行

 令和5年度税制改正の内容を実施する所得税法等の一部改正法が3月末に成立し、そのほとんどが令和5年4月1日に施行されました。ただし、生前贈与を促す改正として税理士の関心を集めている相続税法の改正等は令和6年1月1日に施行されます。
 令和5年4月1日施行の改正から確認すると、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置が3年間延長されるとともに、契約終了時の残高に課される贈与税の税率を一般税率(直系尊属から贈与の特例税率より高い)とするなどの課税強化が同日以後に取得するものから適用されます。2年間の期限延長となる結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置も同様の課税強化がされます。
 一方、令和6年1月1日以後の贈与に適用される相続時精算課税の基礎控除の創設は、相続税法の改正において60万円控除が規定されていますが、租税特別措置法の改正における110万円控除に読み替えて適用されます。相続税の課税価格への加算期間を相続開始前3年以内の贈与から7年以内に伸ばす相続税法改正は、同日以後の贈与により取得する財産の相続税に適用されます。加算期間の延長により相続税増税となることから、改正前の制度を適用するための駆込みは令和5年中に実施する必要があります。ただし、延長された4年間に受けた贈与のうち総額100万円までは相続財産に加算されないので、税理士の一部では、被相続人の平均余命等によって暦年課税と相続時精算課税のどちらが有利かの試算がされている模様です。
      
 贈与のような長期の年月を見据えたプランを要する税金の出口が、だんだん複雑になっています。人間は年をとります。いろんなことを忘れてしまいます。
 ただ、相続時精算課税の基礎控除は朗報です。



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